めっきとサステナビリティ

2000年代以降、環境保護を目的とした各種規制がヨーロッパを中心に次々に成立し、企業は対応を迫られています。代表的な環境規制としては下記のようなものが挙げられます。

自動車で使用される材料・部品などに鉛、水銀、カドミウム、六価クロムの使用を禁止。

電気、電子部品で鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル（PBB）、ポリ臭化ジフェニルエーテル（PBDE）が含まれている場合は基本的に販売できない。

販売される製品は廃棄物削減を目的にリサイクルしやすくしなければいけない。

化学物質は基本的にすべて欧州化学品庁に登録・評価・認可・制限を受ける必要がある。 (ECHA)

これらは、ヨーロッパ内で製品を製造・販売する場合の規制ですが、その他の地域で製造した製品でもヨーロッパへ輸出する場合には該当することになります。もちろん、めっき技術もこれらの規制に対応する必要があります。ここからは、めっきにおける環境対策について見ていきましょう。

世界的な環境規制に準拠するために、めっき技術はより安全で、よりクリーンで、より持続可能なプロセスへと移行しています。

めっき工程の環境への影響を軽減するための重要な要素の 1 つは、廃水 (再利用できないもの) の量を減らすことです。上村は工業団地の基準や法律を遵守するために化学処理方法を採用しています。

今回は、めっきとサステナビリティについてご紹介させていただきました。これまでめっきに必要とされていた化学物質も、代替技術の研究開発が行われ、一層の環境負荷軽減が進んでいます。持続可能な社会の実現に向けて、めっき技術の進化はこれからも続きます。